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今回の記事では、すでに刷新が公表されている日本の新紙幣の発行はいつからかについて調査しています。新紙幣発行以降の旧紙幣は使えるのか、人物やデザイン、サイズについても書いていますので、ご参考になれば幸いです。
新紙幣は2024年のいつから発行される?
2024年度上期中を目途に発行開始予定。新デザインはすでに公開されています。
今回の新紙幣の変更が公表されたのは、2019年でした。随分前の公表のように感じますが、
「紙幣の印刷を開始して、流通する新銀行券の十分な備蓄をするまでに2年半」
「民間企業との意見交換、自動販売機やATMなどの機器への対応ができるよう準備するのに2年半」
の準備が5年の間に進められていきました。
新紙幣は2022年から製造が始められています。(2022年は、新一万円札6億枚・新五千円札7000枚・新千円札8億3000万枚)
2022年(令和4年)の大晦日、家庭や企業・金融機関などで年越しした銀行券は、185.9億枚あるそうです。この枚数を計画的に入れ替えていくとなると、長い時間がかかるのも納得ですね。
財務省HPでは、年間に刷られる紙幣の製造枚数を確認することもできます。
旧紙幣は使えるの?
日本銀行によると、「一度発行された銀行券は、法令に基づく特別な措置がとられない限り、通用力を失うことはありません」となっています。
特別な措置は過去3回発動されており、これまでに発行された銀行券(53種類)のうち31種類については通用力が失われ、現在は22種類の銀行券(紙幣)が使用できることのことです。
平成16(2004)年11月1日から発行が始まった前紙幣にあたる、
「福沢諭吉が描かれている一万円札」
「樋口一葉が描かれている五千円札」
「野口英世が描かれている千円札」
は、新紙幣が発行されたあとも引き続き使用することができます。
福沢諭吉は、昭和59(1984)年11月1日発行から今回の変更まで40年間、一万円札で描かれ続けていました。
新紙幣の人物・デザイン・サイズについて
今回、約20年ぶりに刷新される新一万円札、新五千円札、新千円札に描かれている人物についてみていきましょう。
人物について
渋沢栄一 / しぶさわ えいいち
新一万円札の肖像は「渋沢栄一」、天保11(1840)年生まれ。
数多くの企業の設立に関わり、「日本の資本主義の父」と称されています。
世界遺産となっている富岡製糸場の設立や、第一国立銀行(現在のみずほ銀行)の総監役(のちに頭取)など、約500もの企業に関わり育て、約600の社会公共事業・教育機関の支援や民間外交に尽力した人物。
2021年大河ドラマ「青天を衝け」では、吉沢亮主演で主人公として描かれていました。
津田梅子 / つだ うめこ
新五千円札の肖像は「津田梅子」、元治元(1864)年生まれ。
日本初の女子留学生(弱冠6歳!)の一人で、現在の津田塾大学の前身である女子英学塾を30代で設立しました。日本における女子教育の先駆者と評価されています。
欧米の学術雑誌に論文が掲載された最初の日本人女性でもあります。
北里柴三郎 / きたざと しばさぶろう
新千円札の肖像は「北里柴三郎」。嘉永5(1853)年生まれ。
破傷風の予防と治療法を開発するなど、世界的研究者として名声を博した微生物学者。
「近代日本医学の父」「感染症学の巨星」と称されています。
慶應義塾大学部医学科の創設など、各種医学団体や病院の設立など社会活動にも従事。
福沢諭吉は、北里柴三郎が所長を務めた日本初の伝染病研究所の場所と建設費を提供しており、野口英世は助手としてこの研究所に入っていました。
デザインについて
今回の新紙幣には、銀行券として世界ではじめて採用されている偽造防止対策など、前紙幣からの変更点がありました。まとめてみていきましょう。
【偽造抵抗力強化等の観点】4つのわかる偽造防止技術
①触ってわかる
深凹版印刷…インキを高く盛り上げる印刷技術で、額面数字と識別マークに採用されている。
②透かしてわかる
すき入れ(すかし)…現行のすき入れに加えて、高精細なすき入れ模様が背景に導入される。
すき入れバーパターン…縦棒状のすき入れ。券種毎に本数が異なる。
③傾けてわかる
ホログラム…肖像の3D画像が回転するホログラムを世界ではじめて採用。肖像以外の図柄も見る角度によって変化する。ストライプ型(一万円券・五千円券)/パッチ型(千円券)
潜像模様…傾けると、文字が浮び上がる。
パールインキ…傾けると、左右両端にピンクの光沢が見える。
④道具でわかる
マイクロ文字…コピー機では再現できないほど小さな文字が印刷されている。
特殊発光インキ…紫外線をあてると、日本銀行総裁の印章や模様の一部が発光する。
【ユニバーサルデザインの観点】どなたでもわかりやすく
●識別できるマーク…現行よりも触った際にわかりやすい形状(11本の斜線)に統一されて、券種毎に配置を変更。
●額面数字の大型化…表裏の額面数字(アラビア数字)を現行よりも大きくして、券種が識別しやすくされている。
●ホログラム/すき入れの形・配置…ホログラムとすき入れの形や配置を券種毎に変更。券種が識別しやすくされている。
【記番号】
現行の最大9桁から10桁への変更予定
【表面と裏面の図柄】
表 | 裏 | |
新一万円券 | 渋沢栄一の肖像 | 東京駅(丸の内駅舎) |
新五千円券 | 津田梅子の肖像 | フジ(藤) |
新千円券 | 北里柴三郎の肖像 | 富嶽三十六景(葛飾北斎の神奈川沖浪裏) |
裏面の絵柄は、「新元号の時代に引き継ぐべき、日本を代表する歴史と伝統、美しい自然、文化などから、各券種の色味やイメージに合うものを採用すること」で選ばれました。詳細はHPへ。
サイズについて
人物・デザインと前紙幣からの変更点をみてきましたが、サイズはどうなっているのでしょうか?
前紙幣 | 新紙幣 | |
一万円札 | 76×160mm | 76×160mm |
五千円札 | 76×156mm | 76×156mm |
千円札 | 76×150mm | 76×150mm |
サイズに関しては変更ありませんでした。
まとめ
・新紙幣は、2024年度上期中を目途に発行開始予定。
※2024.1追記 発行開始は2024年7月3日~と発表!
・旧紙幣は、「一度発行された銀行券は、法令に基づく特別な措置がとられない限り、通用力を失うことはありません」とされていて、新紙幣に発行後も使うことができる。
・新紙幣に描かれる人物は渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎。
・新紙幣のデザインには「偽造抵抗力強化等の観点」と「ユニバーサルデザインの観点」で最先端の技術などが採用されている。
・新紙幣のサイズは変更なし。
キャッシュレス決済が普及していますが、まだまだ馴染みある紙幣や硬貨。手もとに届くのが楽しみですね!
\過去に放送された津田梅子が描かれたスペシャルドラマが見られます/